近藤 佳奈さん(現役隊員 in 郡上市)

「ここで暮らしたい!」 石徹白を知って移住まで1カ月

岐阜県と福井県の県境、白山連峰の南山麓にある山奥の集落・石徹白。人口約270人の人里離れた小さな集落で、近藤佳奈さんは郡上市白鳥町石徹白地区のツーリズム支援隊として活動しています。

徳島県出身の近藤さん。親の仕事の関係で転居を重ね、移住前は京都府に住んでいました。石徹白との出合いは、2015年4月に郡上八幡を旅行していたときのこと。宿泊先の人が放った「あなたには石徹白が合うと思う」の一言でした。

早速、翌日に石徹白へ出向いた近藤さん。いろいろな所を見て回り、話を聞いているうちに「ここで暮らしたい!」との思いが芽生えたといいます。当時、石徹白では、川の生態系保全団体や森を活かした冒険施設の参入があり、新しいプレーヤーと共にアウトドア・体験型ツーリズムを推進する地域おこし支援隊(郡上市の地域おこし協力隊)を募集していたことから近藤さんは移住を即決。岐阜県を初めて訪れてから約1カ月後に着任する「電撃移住」でした。

▲畑にいる人や散歩中に出会った人など、地域の様々な人と偏りなく会話して声を聞くことを心がけています。

暮らしと共にあるツーリズムの発展に尽力

大学では建築を学んでいた近藤さん。建造物や住宅とともに、人々の暮らし方にも興味を持っていました。特に惹かれたのが、アジアやアフリカなどの先住民族の生活様式。自分たちの暮らしを自分たちで成り立たせる「甲斐性のある暮らし」に関心を持ち、国内外を旅していました。そんな中で出合った石徹白は、白山の玄関口として古くから多くの人が行き交い、白山信仰と深い繋がりがある地域。集落内には、コンビニやスーパーはありません。自給しながら「甲斐性のある暮らし」が営まれていることに心惹かれたといいます。

移住して2年。現在は、石徹白の暮らしや自然を丸ごと楽しむツーリズム事業の推進に携わっています。仕事の内容は、広報活動をはじめ、関連団体とツーリズムのあり方を考えたり、プログ
ラム開発やイベント企画をしたりと多岐にわたります。「立ち上げ期なので仕事は覚えるものではなく、創り出していくものばかりです。ツアー企画や、仲間の招集も。私達には魅力的な内容でも集客できなかったものもあります。魅力を分かりやすく伝えることに課題を感じています」と近藤さん。

しかし、「石徹白の魅力を語り始めるとキリがない」と続け、「身近に伝統文化を感じつつ、日本に住んでいる素晴らしさを体感できる場所。冬は厳しい石徹白ですが、毎日美しいと思える光景に出合え、とても心地良いです。仲間と田畑で米や野菜を育てたり、発酵食をつくったり、衣を縫ったりしながら、暮らしを学んでいます」と笑顔を見せます。

地域おこし支援隊の任期を終えても石徹白に住み続けたいと早い時期から考えていた近藤さん。将来に向けて、この地でもできる仕事を模索しているそうです。「この9年間で移住者が32人と、その子どもが7人産まれました。移住されて来た方々は自分で様々な仕事を創り出していますが、ツーリズムを通して雇用が生まれるとうれしいです」。憧れだけでは生活は成り立たない。後に続く人たちへの手掛かりを残しつつ、石徹白の暮らしを心から楽しんでいます。

▲石徹白民踊盆踊りで伝統着の「たつけ」を着用しました。

福田さんに聞きました!

移住に関する情報をどうやって収集した?

まち歩きをして、地元の方から話を聞きました。

移住に関して大変だったことは?

営利活動と非営利活動の間に立ち、様々な人と関わりを持てること。また、地域に存在する素晴らしい営みをどう続けていくかを模索できることです。

現在の住まいは?

受け入れ団体があらかじめ空き家を確保してくれていました。家賃は、13,000円です。

これからの夢は?

一人一人が、安心と可能性を感じられるような社会づくりに貢献したいと思っています。

Pocket