水口 晶さん(新築)

EARTH SHIP(アウトドア関連企画運営)経営
水口 晶さん

学生時代の経験ヒッチハイクが運命を回す

京都府出身の水口 晶さん。大学時代は民俗学(フォークロア)を専攻し、フィールドワークの舞台として選んだのが岐阜県を流れる長良川でした。漁労活動の調査を目的に、上流から下流まで歩き回りました。しかし、長良川は厳しい川。経験がないまま折りたたみ式カヌーで川を下り、危険を感じて途中でヒッチハイクをすることに。その時出会ったのが、アウトドアショップで店長をしていた方。この出会いが、その後の人生を決めることになりました。大学卒業後、店長を頼って郡上市へ。店員となり、働き始めました。そして、一緒にアウトドア体験運営会社EARTH SHIPを起ち上げました。ヒッチハイクでの出会い以降も、気がつけばすっかり郡上市を愛し、第二の故郷と呼べるほどになっていました。

▲木の温もりが感じられるという理想通りの家が完成。

アウトドアの活動で自然の大切さを伝える

「なんとなく住み着いた」とはいうものの、やはり苦労はつきもの。「しっかりとした考え方のもと、自然の良さを知ってもらいたい」と、1997年にEARTH SHIPの経営を始めましたが、地域の方たちに理解されるまでは、時間がかかりました。「冠婚葬祭や祭りなどの行事に参加し、受け入れてもらえたかなと感じたのは、3年くらいしてからかな」と水口さんは振り返ります。

進学をきっかけに、地元を離れる人が多いため、同世代の若者が少なく、自分の父親と同じ世代が大半。その中でアウトドアを職業とすることを理解してもらうには、時間がかかりました。しかし、真剣に向き合う水口さんの姿勢は次第に受け入れられ、今では地域を代表するアウトドア関連会社に成長。水口さんも、商工会の役を引き受けるなど、積極的に地域のために活動しています。

▲前の晩に焚いておけば、余熱で次の朝も十分暖かく快適。薪ストーブ以外にも将来的には自然エネルギーの割合を増やしていきたいと語ります。

自然を体現できる薪ストーブのある暮らし

当初は、古民家を借りていました。しかし、かなり古い物件だったため、手を入れるとなると相当な額になることから、新築を決意。建築中も古民家での生活を続けました。新築を検討する中で、自然を象徴するアイテムとして欠かせないと考えたのが、薪ストーブでした。自然エネルギーを体現でき、自然と共に暮らす。その第一歩として導入を決意しました。木、薪とひと口にいっても、その状態は様々。多少、火の点きが悪かったりするときもありますが、スイッチだけで環境を変えるのとは違い、自然との共存を感じることができるといいます。

郡上での暮らしは、自然との共存だけではありません。薪をもらったり野菜をもらったりと、人と人のつながりを実感しています。「薪ストーブの上で料理もできるの」と、楽しげに笑う長女のはるかちゃん。薪ストーブは一家の暮らしに自然にとけ込んでいます。

水口さんに聞きました!

移住に関する情報をどうやって収集した?

情報のない時代でしたし、なんとなくという部分も…。自然体ということだと思います。

移住に関して大変だったことは?

当時はまだアウトドアを職業とすることが理解されていない時代でしたので、そこから始めるという苦労はありました。この地域で良い人たちにめぐり合えたのは、何よりの財産です。

現在の住まいは?

2015年に新築しました。移住から相当時間が経っていましたので、移住者のための制度の対象から外れていたのは少々残念ではありました。

現在の仕事は?

EARTH SHIPというアウトドア関連の企画運営会社を経営しています。移住2年後に設立し2017年で20周年を迎えることができました。

これからの夢は?

「人と自然の再生」をテーマに取り組んでいます。例えば廃業したスキー場やゴルフ場などを森へ還すといった活動など、とても大きなテーマなので、すぐに何かの結果が出るというものではないのですが、少しでも前へ進められればうれしい。その第一歩として、都市の人に来てもらえる魅力ある場所づくりにより力を入れたいと思っています。

Pocket