小澤 陽祐さん(テレワーク)

HUB GUJO
小澤 陽祐さん

事業の持続性を見据えて首都圏集中からの脱却

千葉県出身の小澤陽祐さん。大学は国際関係の学部で学び、若い頃から企業の社会的取り組みに関心を持っていました。2000年、「オーガニック」「フェアトレード」「自社焙煎」がコンセプトの自社ブランド「SlowCoffee」を主力商品に、コーヒーの製造や販売を展開するメーカーを起業。首都圏を中心に順調に業績を伸ばしています。本社工場を千葉県の松戸市に構え、スタッフも増えていきました。

そんな折、東日本大震災が発生。直接の被害は免れましたが、計画停電などインフラが不安定な首都圏に集中する商圏や事業基盤の見直しを考えるようになりました。ただし、消極的なものではなく、関西や中部への販路拡大という企業のステップアップだったと振り返ります。そこで、妻の郷里である郡上市への移住が浮かびました。「子どもの出産のために里帰りしていた妻ともよく相談し、自然環境溢れる郡上市での子育てを決意しました」。

▲メール、メッセンジャーなどでタイムラグのないやり取りが可能です。一方で、じっくりと企画に打ち込める環境でもあります。

テレワーク環境が整うHUB GUJOへ入居

家族と事業、その両立を大きく支えたのが「HUB GUJO」です。総務省の補助金を受けて、地元の紡績工場跡をオフィス空間としてリノベーションしたシェアオフィス&コワーキングスペースです。運営するNPO法人の代表がたまたま近所に住んでいたという縁もありました。「テレワーク環境が整っていること」「複数の異業種が入居していること」という2つのポイントが決め手となり、入居を決意した小澤さん。会社の従業員はほとんどが関東出身者であるため、社長である小澤さん1人のサテライトオフィスの開業となりました。「新たなステップとするには最高のスタートを切ることができました」と目を輝かせます。

テレビ会議システム、ネットインフラが整う環境は、千葉県の本社と時差を生じることなく連動し、距離も感じさせません。さらに複数の業種が入居していることは異業種交流での気分転換にとどまらず、新たな地域おこしブランドも誕生するきっかけになりました。

▲パブリックスペース。異業種交流やそこからさらに広がるネットワークが次の可能性を生み出します。

新たなプロジェクトが郡上でスタート

「HUB GUJO」稼働スタート時、アイデア会議「HACK GUJO」が開かれ、そこで「郡上発水出しプロジェクト」が誕生しました。郡上市は国が定めた「水の郷百選」で、湧水の「宗祗水」が名水百選に第1号として選ばれたほどの地です。名水を汲んだ専用のボトルに、水出しコーヒーを入れて街歩きをしながら飲んでもらおうという企画で、郡上の水と小澤さんが心血を注いでつくるコーヒーが融合し、新たな特産を生み出しました。今年行われたテストケースでは、多くの賛辞が寄せられ、本格稼働に向けて大きな手応えを掴んだといいます。このプロジェクトを進めるに当たっては、テレビ会議システムなどのテレワーク機能を存分に活かしました。

「過疎問題の本質は都市の過密にある」と小澤さんは言います。都市と地方が繋がることで、そのどちらの問題も解決していく糸口になるのではないか。そんな可能性の一端を見せてくれる水の郷郡上です。

小澤さんに聞きました!

転職に関する情報をどうやって収集した?

もともと妻の実家があるので、郡上市に親しみを持っていました。住むことに関しては問題ないので、いかに事業と両立させるかを考えましたが、少しずつ住んでみるという手段で検証しました。

移住に関して大変だったことは?

まず週に1~2日ほど、郡上市で仕事をしてみました。郡上市滞在を長くする形で、事業に影響が出ないことの確認や、ITを使った連携のやり方を考えていきました。まだまだアイデアは出てきそうですね。

各種の補助制度は利用した?

「HUB GUJO」は総務省「ふるさとテレワーク推進事業」の対象となっているので、その補助を受けています。

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