田家 一衡さん(農業・独立)

田家 一衡さん

長野県の観光牧場から実家に近い海津市へ

学生時代から生物が好きで、農学部の修士課程を修了した田家一衡さん。「学生の時は教員の仕事にも興味があり、どちらの道へ進むか決めかねていました」。最初に就職したのは、長野県の観光牧場。観光客に農業体験をしてもらう仕事に加え、畜産や野菜の栽培も担当していました。牧場での経験を通じて「やはり農業を仕事にしたい」と決心します。

そんな時、岐阜県職員の友人に紹介されたのが「岐阜県就農支援センター」の研修制度。新たに農業を始める人のために、県が1年間にわたって研修を行うものです。「やるからには農家として独立したいと考えていたので、少人数でしっかり学べ、実践的なサポートを受けられるプログラムは魅力的でした」。

海津市が田家さんの実家がある愛知県から車で1時間程度という距離も、安心して移住できた理由のひとつです。「海津市は静かな土地ながら、畑の近くにスーパーマーケットやホームセンター、飲食店などもあり便利。桑名市や大垣市のショッピングモールも近く、名古屋市までも車で1時間。暮らしに困ることはありません」と笑顔を見せます。

▲岐阜県就農支援センターの近藤さんと。栽培技術から経営計画まで、就農支援センターは独立後も強い味方。

1年間の研修で大きく成長

田家さんは2014年6月、海津市に住まいを移し、その月からセンターの研修に参加。「トマト独立ポット耕栽培システム」という栽培技術を学びました。病気や害虫への対策、労務管理や農業簿記など、農業経営に必要な知識も全般的に身につけます。

「研修でありがたかったのは、地元の農家の皆さんとの交流の機会を設けてくれたこと。畑を見学させてもらったり、勉強会に出たり、JAのトマト部会(トマト農家の集まり)にも所属できました。センターのサポートなしには、すぐに地域にとけこむことは難しかったと思います」と振り返ります。天候など環境に左右されることが多い農業。今でも困った時に先輩農家やセンターの職員に相談できることが、とても心強いと言います。

▲畑から車で10分ほどの場所にあるスーパーマーケット、ドラッグストア、銀行など。市役所や図書館なども近く便利。

独立した農家として着実に成長していく

田家さんは国の「農業次世代人材投資資金(旧・青年就農給付金)」を利用しています。研修を受けながら45歳未満で就農する人に対して、最大で年間150万円が交付されます。「生活費以外にも、軽トラックやハウス栽培のための資材、そしてそれらを修繕する費用など、農業には、ある程度のお金がかかります」と田家さんは語ります。「しかし、センターに相談しながら、きちんと就農計画を立てれば、収支を安定させることは可能。計画を立てることで助成金や融資を受けやすくなることもあります。今後はさらに栽培技術を高め、給付金を受けられる期間が終了しても確実に経営していける力をつけていきたいです」。

公的な制度や周りの先輩をしっかり頼ることと、自分の意思と計画をしっかりと持つこと。その両方の架け橋となった「就農支援センター」のサポートを上手く利用したことが、田家さんの移住と就農を成功させた鍵といえそうです。

田家さんに聞きました!

就農に関する情報をどうやって収集した?

岐阜県職員の友人が就農支援センターのチラシをくれたのがきっかけ。研修内容を見て、これなら農家として独立できると感じました。

移住に関して大変だったことは?

移住に関しては苦労しませんでした。農家になってからは、自然を相手に試行錯誤を繰り返す毎日。でも、やりがいがあり楽しいです。

現在の住まいは?

海津市内のアパートを借りています。インターネットで探しましたが、物件も豊富で、住まい探しに苦労はありませんでした。

現在の仕事は?

「独立ポット耕栽培システム」という技術を用いて、20a(2000平米)ほどの畑でトマトをつくっています。

これからの夢は?

もう少し面積を広くして、子どもができても安定して暮らしていけるだけの収入を得られるようにしていきたいです。

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