TURNSがっこう-岐阜科-7限目「二拠点生活×複業」開催レポート

2020年1月18日(土)の『TURNSのがっこう岐阜科』は、多くの人からリクエストを頂いた「二拠点生活×複業」がテーマです!

いきなり移住、というのは少しハードルが高いかもしれませんが、二拠点生活でちょっとずつ地方暮らしを始めていけば、移住がぐっと身近になってくるのではないでしょうか。
そして、「二拠点生活」実践者は、「複業」実践者でもあります。今回は、そんな「二拠点生活×複業」の魅力を掘り下げました!

講師1人目は、飛騨市と長野県諏訪市を行ったり来たりしている白石達史さんです。

白石さんが飛騨市に移住したのは、カンボジアやアメリカなどで生活をされた後、海外の豊かな自然の中で暮らしたことに影響を受け「田舎で働こう!」と思い立ったのがきっかけです。

最初は、飛騨市がどこの県かも分からなかったそうですが(笑)、株式会社美ら地球の里山サイクリング事業の社員として抜擢されたことから飛騨市に移住することになりました。

7年間インバウンドの事業に携わった後独立し、現在は「まちの編集者」として飛騨市に拠点を置きつつ、週に2〜3日は諏訪市に出社する生活を送っています。

諏訪市では、『ReBuilding Center Japan』(通称“リビセン”)でディレクターとして活動しています。ここで働くことになったのは、リビセンの方から“お声かけ”頂いたから。そう、白石さんは、 “ご縁”に導かれて諏訪市でも働くようになったのです。リビセンに出社する日は、朝5時くらいに家を出て車を走らせ、飛騨山脈を越え現場に向かいます。毎週毎週出張があるような感覚で、まさに“エクストリーム出社”だと言います。

二拠点生活が始まってから、圧倒的に大きく変わったのは、時間の使い方だと言います。これまでの時間の使い方を見直し、家事をロボット掃除機や乾燥機に頼ったりするなど、全部を自分で行うのではなく、上手く人やモノに頼ることで、効率よく暮らしを送ることに成功しました。

二拠点生活のメリットは、“愚痴を零せる”ことだと白石さんは言います。拠点である飛騨市は、日本の原風景が残った美しい田舎町ですが、人と人との繋がりが濃いばかりに、時には自分の心の内を吐露しづらい場面も。そんな時、諏訪市に居場所があることで、リフレッシュになると同時に、「やっぱり飛騨はいいところだな」と飛騨市での暮らしの魅力も再認識できるそうです。

その他にも、飛騨市で音楽フェスティバル『飛騨高山ジャズフェスティバル』を企画・運営したり、古民家の移築事業を行ったりなど、ご縁と地域の素材を大切にしながら、「二拠点生活×複業」の生活を送っているのです。

2人目の講師は、美濃加茂市を拠点に置きながら、東京や日本全国各地を飛び回り「多拠点生活」を送っている加藤慎康さんです。

加藤さんは、名古屋市でサラリーマン生活を送ったのち、まちづくりの活動に魅せられ『大ナゴヤ大学』を立ち上げました。(そう、加藤さんはあの『大ナゴヤ大学』の初代学長なのです!)その時に学んだ地域活性のノウハウを生かし、美濃加茂市に移住して「まちづくりコーディネーター」の仕事を担うことになりました。

「美濃加茂市の良いところは、街に近くて、ちょっといけば自然があるところ。」そう加藤さんはおっしゃっています。美濃加茂市では『合同会社カモケンラボ』を立ち上げ、3,000坪ほどある土地を購入しました。ここでは、美濃加茂市の自然の魅力を最大限生かし、アウトドアのイベントを企画したり、農業を始めたり、子羊を飼い始めたりと、人が集うオモシロ企画を開催しています。

その他に注目すべきは、新しく立ち上げた『木曽三川電力みのかも株式会社』です。人々が使う電力のお金を“地域で回す”仕組みにすることで、“地元にお金を落とす”循環を作り上げました。その利益を地元の人たちに還元していこうとしているのです。

こうした取り組みが大きくなり、公務員の仕事(まちづくりコーディネーター)は1/3に減りましたが、新しい事業と雇用をまちに生み出しているのが加藤さんの素晴らしいところです。

そのような実績が増え、東京では5年後〜10年後を見据えてネットワークをつくろと、ここでも様々な活動を行なっています。アプリ開発を目的にした合宿をしたり、大学生とまちづくりについて話し合う機会を設けたりなど、加藤さんの取り組みは多岐に渡ります。

今のスタイルを選んだ理由について、「自分が移住したかったというよりは、“誰と仕事をしたいか”、という視点で暮らす場所を決めてきました。」と、加藤さんは話します。美濃加茂市の人も、東京でのコミュニティも大切にしている加藤さん。それゆえ、新しい情報やネットワークが加藤さんのもとに集まり、仕事の創造に結びついています。

参加者からは、事前に多くの質問をいただいておりましたが、その中の多くが「どうやったら二拠点生活ができるのでしょうか?(どのように場所を決めたのですか?)」「交通費などの費用面は、どのようにやりくりしているのですか?」といったものでした。
そのような疑問を持って講師トークを聞いていましたが、お二人の答えは、初めから二拠点生活を求めていたのではなく、 “周りの人を大事にし、心地よい働き方を選んでいたら、今の生活スタイルに落ち着いた”というものでした。授業の後半は、その秘密をさらに深掘りしていきました。

…と、ここで休憩なのですが、なんと、サプライズでminokamo長尾明子さんより、岐阜の食材を使ったお手製の軽食をご提供いただきました!
長尾さんは美濃加茂市ご出身で、今は東京に住まわれていますが、毎日のように日本各地を飛び回って「地域×食」の魅力を伝えています。まさに多拠点居住のような生活です。
今回は、そんな長尾さんから、「芋もち」と「鬼まん」をご提供いただきました(レシピまでプレゼントしてくれました)。

いよいよ、後半クロストークの始まりです!

今回のクロストークは、講師の白石さん、加藤さん、ファシリテーターの小林謙一さんの他に、『TURNSのがっこう岐阜科』校長の堀口正裕さんも久々に参戦です。

−「収入を上げるために、何か意識して行なっていますか?」
白石さん「自分の給与はかなり興味がないのですが、生きていくのに必要な給与はきちんと把握していて、同時に会社の売り上げを上げることをまずは考えています。」
加藤さん「実は、この生活を始めてから給与は下がりました!(笑)下がっているけど、給与の設定は他の社員と同じにしていたりしています。」
堀口さん「目的によって給与は変わってきますよね。一概に増えれば良いというわけではない。事業を立ち上げるということは、社員の生活だったり、何よりも“パッション”が一番大事ですよね。」

−「様々な仕事の話を聞きましたが…、一体、雇用形態はどうなっているのでしょうか?(笑)」
白石さん「諏訪市では、業務委託という扱い。でも社員と同じような感じ。飛騨市ではフリーランス、あと経営者。」
加藤さん「美濃加茂市では、2つの会社の経営者。まちづくりコーディネーターは雇用関係。もうちょっと“フリー”になりたいと思っているところです。」

−「二拠点生活や複業を行う上で必要な心構えはありますか?」
加藤さん「宅建を取ってると便利ですよ。ご結婚されている人なら、奥さんが宅建を取って不動産業をやっている人も地域には多くいます。」
白石さん「勢いだけでやると、儲からないです。やりたいことをやった飛騨高山のジャズイベントは、費用の捻出が大変でしたから。それで、計画的に古民家の移築事業を始めてみたら、うまく行きました!いかに地域の中にお金を落としていくか、という視点も大切です。」

−「地域での役割はどうしていますか?」
加藤さん「お祭りの対応などで、どうしても行けない時は申し訳ないのですが、自分が事業を立ち上げてから何かあるときにものすごく大勢の人が来てくれるので、期待はしてくれていると思います。」
白石さん「地域のお祭り行事って、すごく大事ですよね…(笑)。ちゃんと出ていると、草刈りなどを欠席してもあまり邪険に扱われないです。(笑)」

−「また、準備しておくべきことはありますか?」
白石さん「そもそも準備って必要なんですかね?僕の場合は、たまたま“ご縁”を頂いて移住した感じなので、海外から帰国して現地に行ってから色々なことが判明しました(笑)。まずは、先に飛び込んでみる。だから準備は必要なし!というのが僕の考えです。」
加藤さん「気になる地域で、友達を作るのは良いと思います!そして、ちょっと遊びに行ってみる。通えるまちを作ってみる。奈良に通っていたことがあるのですが、その時はそのまま住み続けようと思っていました。だけど、美濃加茂市の色んな人の顔が思い浮かんだので結局戻ってきました。」
堀口さん「地域の情報やまちづくりに関する様々な情報は、ここ数年で一気にアップデートされているので、そういったことを知っておくことは大前提として必要です。あとは、地域に“敬意”を持って接することは大切だと感じますね。」

様々な意見、想いが炸裂したクロストークとなりました!

二拠点生活するのって、完全な移住でなくてもやっぱりまだハードルが高そう…と思っていた方も多いかもしれませんが、白石さんや加藤さんのお話を聞いて“なんだか楽しそう!”という感想を多くの参加者が抱いたと思います。

最後に、岐阜県内の情報を紹介。これから二拠点生活や複業を志す人たちにとって、必見の情報です!

ポイントは3つ。

① 誰でも店主になれる!1日店主募集中!
https://classca-gifu.net/programs/5cecc0fe6c6f6315a7dc0700
築120年の町家をリノベーションした、曜日によって店主が変わるお店で、特別な許可は不要。平日2500円からレンタルでき、カフェやクラフト、トークイベントなど、使い勝手自由でだれでも挑戦可能な場所です。

② 愛する地域と共感する事業で選ぶ「ふるさと兼業」
https://furusatokengyo.jp/
希望するライフスタイル、ワークスタイルにフィットした働き方でプロジェクトを探すことができるW E Bサイトです。都会で生活しながら地域に関われる新たな選択肢を提案したこの取り組み。プロジェクト単位でコミットできるだけでなく、お試しプログラムや期間限定で参画できるプログラムも用意しているので、今のライフスタイルに合ったものに挑戦することができます。

③ 東京圏に住みながら地方で兼業や副業をする人に交通費を支援する制度が2020年度からスタート
主に、東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県から他の地域へ兼業・副業として通勤する人を対象に、1人当たり年間50万円を上限(3年間まで)に交通費を支援してもらえる制度がスタートします。

少し前であれば、二拠点生活や複業は、すごく先進的なことだと思われていましたが、徐々に自治体の制度なども進んできました。

白石さんや加藤さんのようなライフスタイルが当たり前になり、好きな地域の場所・人と気軽に交流できる日も、そう遠くはなさそうです。

今回の授業を参考に、できるところから憧れの暮らし・働き方に近づける努力をしていきましょう!

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