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【2019.9.29セミナー】「田舎だからこそできる!」開催レポート

9月29日に第3回清流の国ぎふ暮らしセミナー「田舎だからこそできる!」(岐阜県食材ランチセミナー)が大阪府のまごころ料理鷲見で開催されました。

はじめに、岐阜県清流の国推進部地域振興課の荒川技術主査に岐阜県内の地域(飛騨・東濃・中濃・岐阜・西濃)の特色について紹介をしていただきました。

今回のセミナーゲストは、一般社団法人ヤマノカゼ舎の理事を務めている嵯峨創平さんと、泊まれる神社「YADOYA IBIGAWA」の神主、保井円さんです。都市部とは少し違った、地域資源を活かした新しい試みを行っているお二方に、田舎ならではの魅力をうかがいました。

田舎に住みやすい条件を整える

嵯峨創平さんは秋田県出身。東京都で地域開発シンクタンクや環境NPOなどといった活動を経たのち、2011年に岐阜県立森林文化アカデミーの教員となりました。現在は、岐阜県揖斐川町の古民家を拠点とし、里山資源を活用した起業家を育成する「里山インキュベーター」の活動にも取り組んでいます。
総務省が平成29年に行った「田園回帰(都市部から過疎地域に人が移住・定住をするという動きが活発化している現象)」に関わる都市部住民の意識調査によると、全体の3割近くが「いずれは移住したいと思う。」「条件が合えば移住してみてもよいと思う。」と回答しており、この傾向は特に20代・30代の人によくあらわれています。嵯峨さんが取り組んでいるのは、都市部の人が移住しやすい条件を整えるということです。

嵯峨さん:「起業ってなんか難しいことというか、才能がなきゃいけないとかお考えになると思うんですけど、そういった一般的な起業セミナーで扱われるスキルのようなものに加えて、私たちは、個人の思いをかたちにするための共同学習などを重視しています。」

本年度は、「山の保存食cafe」の開業に向けて、地域に残る「保存食」についてフィールド調査や古民家改修ワークショップ、保存食メニューの開発などを通し、里山インキュベーターとしての活動を行っています。

現代の日本の農村部には、空き家、耕作放棄地、放置山林などの「資源」が多く残されているといいます。それらを上手に活用するための環境教育や、起業の支援などを通じて日本の産業の新しい方向性が開かれることが期待されています。

日本の原風景を維持することからはじめる

保井円さんは岐阜県岐阜市出身。30歳から始まった23年間にも及ぶフランス生活の後に、実家の神社を継ぐため帰国しました。家族代々のものでありながらしばらく使われていなかった築100年以上の古民家に目を付けた保井さんは、この古民家の改築を行ってゲストハウス「YADOYA IBIGAWA」としてオープンさせました。改装にもこだわりがあり、昔ながらの建築技術や本物の素材を使い、新しいながらも、昔の職人のこだわりを残した本物の古民家を再生しています。     ここでは国内外問わず様々な人が、改築前から残る五右衛門風呂や竈といった日本の原風景に親しむことができ、様々なイベントを行いながら日本の田舎ならではの魅力を発信しています。
意外なゲストとしては、わざわざ海外から断食のために来たお客さまもいたそうです。断食するには、揖斐川のような日本の原風景が残る環境ですることで心も体も浄化されるそうで、大変気に入っていただき、リピーターとなったそうです。

保井さん:「本物を維持するということが、我々がこれからできること。それで外国人を呼んできて、そういうものの価値を認めてもらって、それを地元揖斐川町の人たちに教えてあげることで、自分たちが住んでいるところの良さを改めて知っていただきたい。」

日本の田舎に残されている資源が、すでに生活の一部であるという理由で、地元の人たちにはあまり評価されていないという例は少なくありません。このような資源に価値を見出すことができるのは、日本の外、田舎の外に住んでいる人なのかもしれません。そういった意味で、保井さんが「YADOYA IBIGAWA」を通じて、今も揖斐川流域に残る「昔ながらの日本の暮らし」や「日本の原風景」を外に発信するような試みは、今後一層大切な取り組みになっていくのではないでしょうか。

田舎に残る日本の普段の生活に眠っている資源は、このまま何もしないでいたら20年後には無くなってしまうかもしれません。
今も日本の原風景が残り、貴重な資源が残る揖斐川流域で、地域資源を活かした起業家の応援をする嵯峨先生の取り組みと、既にその資源に気づき、フランス生活での経験を活かしその魅力を発信する保井さん。この二人のお話しに参加者も興味津々で、多くの質問も飛び交い、美味しいランチの効果もあって非常に雰囲気の良いセミナーとなりました。

 

今回のセミナーは、近畿圏で全7回予定されている「清流の国岐阜暮らしセミナー」の第3回でした。今回は「田舎の暮らし」をテーマに2人のゲストの方にお話をしていただきました。田舎だからこそできることは、田舎の外にいる人だからこそ見つけられるのかもしれません。岐阜県では、そういった発見を行動に移したい人の第一歩を支援しています。田舎暮らしに興味のある方や岐阜県に興味のある方は、今後のセミナーにも足を運んでみてはいかがでしょうか。また、今回はランチセミナーということで、岐阜県産の食材を使った料理が楽しめる日本料理店「まごころ料理鷲見」さんにお世話になりました。どの料理もとても美味しかったです!

(セミナーレポート 大学1回生 R.O.)