【5月10日セミナー】「本業じゃなくてもいいから。商人が欲しい。」開催レポート

地域の中のマイノリティと共に。建築家が仕掛ける面白いまちづくり

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岐阜で活動する人、岐阜で暮らす人を毎回ゲストにむかえてこれからの暮らしをイメージしたり、おもしろい人や地域とつながるイベント「清流の国ぎふ暮らしセミナー」。ほぼ毎月、東京、関西(京都・大阪)、名古屋で開催しています。
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2018年5月10日に、清流の国ぎふ暮らしセミナー(名古屋会場)「本業じゃなくてもいいから。商人がほしい。」が、名古屋駅すぐの大垣共立銀行OKB Harmony Plaza名駅が開催されました。
今回のゲストは、一般社団法人ヒガシミノ団地の松下嘉広さん。
ヒガシミノ団地:http://higashiminodanchi.com/
仲間とともに空き家や古民家を続々とリノベーションして挑戦者を応援し交流を生み出す場所を創造しています。
当日は、移住に関心のある人、空き家や古民家活用、地域活性に関心のある人など、幅広い年代の20人ほどが参加し多くの質問が飛び交いました。松下さんのお話しや当日の様子をお届けします。

|岐阜県・中津川市ってどんなところ?

冒頭は、中津川市定住推進課の担当者から中津川市の紹介がありました。
中津川市は、岐阜県の東の端、長野県に隣接している人口約7万9000人の市。山に囲まれており、キャンプや栗きんとん、五平餅など自然を生かしたアクティビティや食文化が楽しめる街です。

中津川市定住情報ポータルサイト「中津川に住もう」:http://www.nakatugawa.com/
続いてゲストスピーカーである松下さんから、中津川に戻った経緯や現在の活動、「中津川」という町のおもしろさについてお話がありました。

|工業高校、イタリア留学、そして東北。中津川でまちづくり活動をするまで。

松下さん:「中津川市の工業高校を卒業後に、家を作ることを学ぶために5年間現場監督として働いてから、イタリアに1年間留学して、大手革靴会社の内装設計主任の元で空間のデザインの勉強をしつつ、国立大学の教授のところで仕事をしていました。

帰国後に設計事務所で働き始めたのですが、もうちょっとスキルアップしたいなと思っていました。東日本大震災をきっかけに、NPO法人ETICという団体が実施する「右腕派遣プロジェクト」で東北のまちづくり系の団体に行き活動をはじめました。」

|東北から地元へ。移住者は”理解されない存在”?

「東北でまちづくり活動をしていましたが、「やっぱり地元でプレイヤーとして活動したい」という思いが強くなり、地元である中津川に戻ってきました。

今一番のミッションになっているのが「マイノリティが活躍できる社会をどう実現するか?」ということです。

自分自身フリーランスとして働いて来ましたが、自分の働き方を理解してくれる友達が地元にはなかなかいないんですよね。
移住者の中には「田舎で起業したい!」という人もいらっしゃいます。
でもそれは田舎の人には理解されにくく「なんでこんなところに来てまでこんなことしてるの?」と言われる。説明しないと分からない存在です。

僕らはそんな、自分が頑張っても理解してもらえないような人たちを守る、ではないけれど、一緒に面白い活動をするということをやっています。」

 

|価値ある空き家を面白く。

「僕たちの実践している活動は、ボランティア活動は1つもなくて、全てお金儲けとしてやっています。その上で、雇用されるのかされていないのか、中津川市なのかそうではないのか、ということは関係なく、面白いからという理由で参加してもらっています。

今一番の自主事業としてやっているのが「空き家活動実践プロジェクトマガリ」という、空き家を活用するプロジェクトです。」

「始まったきっかけは、使われないまま残っていた江戸後期の古民家に出会ったこと。
すごく価値のある古民家だったので「こんな建物壊しちゃダメだよ、活用して何か面白いことしようよ」と自分たちで改修して「清蔵」というカフェにしました。

端的にいうとカフェなんですが、その後、清蔵でクラフト系の方たちがお店を開くことになり、
作家さんを応援するためにレーザーカッターなどを導入してデジタルファブリケーションというものづくりができる場所にもなっています。」

|自慢下手な地域の中のマイノリティ

「僕たちは、活動している人たちの情報発信も行なっています。

中津川市に阿木という農業振興地域という地域があって、ここはルール上農地を転用できないので、耕作放棄地がすごく増えているんです。
でもそれではダメだ、ということで耕作放棄地を使って蕎麦を作っている人たちがいるんですが、外側から見るとただ蕎麦を作っているだけで、PRもしていません。

これも地域の中のマイノリティ。「自慢下手」な人たちなんです。だから僕たちが勝手に情報発信しようということで、『なかつが話』というウェブサイトで地域の人を発信しています。」

|中津川という街の性格。

「活動をここ1年間やって来ましたが、中津川の人たちは懐が深いと思いますね。
こういった活動を中津川で始めてから、中津川の人たちから、けなされたり罵倒されたり、お前何なんだよみたいな言われ方をしたことは一度もないです。
みんな理解してくれているというか、こういうことを受け入れてくれる優しさがある人たちがある人たち。そういった意味では移住を選ぶ先としてはいい地域ですね。

ただ僕たちも団体の名前が「ヒガシミノ団地」ってなっている通り、中津川に固執していません。隣の恵那市も良い場所です。街にはそれぞれ性格があると思いますが、そういう意味で東濃はいい地域だと思っています。」

トーク終了後、参加者の方から多くの質問がありました!一部を抜粋してお伝えします。

ー今松下さんの活動は何人くらい?
「雇用という形では、正規1名とアルバイト1名ですが、一緒に活動している大学生はメンバーだと思っているので、それも入れると20名〜30名くらいです。」

ー地域の人とどうやって信頼関係を築いている?
「「町のこと良くしたいと思っているんですよ!」ではなくて「僕ゲストハウスやって、僕のゲストハウス流行らせたいからこの町よりよくしましょうよ」って言っているから、受け入れられているんだと思います。僕は本音で話して、本気で頑張っているからというのもあると思います。」
松下さんのトーク終了後も、会場では参加者・ゲスト同士の交流が活発に行われていました。

「清流の国ぎふ暮らしセミナー」は、今後も名古屋・東京・京都・大阪で順次開催されていきますので、ぜひご参加ください!
レポート担当:古井 千景(大学4回生/岐阜県出身)

 

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