【公式】岐阜県への移住・定住ポータルサイト 植杉祐貴さん |移住者インタビュー|ふふふぎふ|岐阜県 岐阜県

interview

きっかけは聖地巡礼、
何度も足を運んだからこそ、納得の移住に。

植杉祐貴さん

- 公務員

プロフィール

1990年生まれ、北海道出身。京都アニメーション制作「氷菓」を見てから、聖地巡礼で高山市を何度も訪れるうちに、強く魅力を感じ就職と移住を決意。大学卒業後から高山市の公務員として勤務している。登山が趣味で、3,000m級の山々があり、住まいからは乗鞍岳が見える今の暮らしに満足している。

高山市は岐阜県の飛騨地方にある山岳都市です。古いまち並みと日本の原風景と呼び声の高い雄大な景色、春と秋に開催される高山祭りは、日本国内のみならず、海外からの観光客も毎年多数訪れています。北海道出身の植杉さんは大学卒業とともに高山市の公務員となり、自然な流れでの移住となりました。「少しずつ高山の人間になってきた」と語る植杉さんにお話をうかがいました。

移住前はどこでどのようなことをしていましたか?

移住前は東京の大学に通う学生でした。

移住のきっかけは何ですか?

就職活動中に、このまま東京で働くか、地方・地元で働くかをずっと考えていて……。当初は一般企業での就職するつもりでしたが、父が公務員をしていることにも影響を受けて次第に地方で働く公務員を志すようになりました。

移住の決め手は何ですか?

当時放送されていた京都アニメーションの「氷菓」という作品です。劇中では実際に存在する都市や施設が魅力的に描かれていて「そこで働いてみたい!」と思うようになりました。実家のある北海道に戻って、公務員になることも考えましたが、市民の近くで住民サービスを提供できる市役所での業務に魅力を感じ高山市に決めました。

どのようなプロセスで移住しましたか?

「聖地巡礼」する中で移住を決めました。「聖地巡礼」とは劇中で描かれた場所に訪れ、有名なスポットで撮影をして、作品をより身近に楽しむ旅行の仕方です。作品内ではストーリーの進行とともに、高山市(劇中では神山市)の四季が描かれていました。季節を変えて何度も高山市に足を運びましたが、それは結果的に移住先のさまざまな魅力に触れることにつながったのだと思います。

移住してからしたことはなんですか?

働き始めた当初は、慣れないことばかりでしたが、余裕が出てくるとお気に入りの場所を散策するようになりました。もともと路地裏歩きが好きで、まちの至る所をくまなく歩きまわって。気になるお店を見つけては、ふらっと立ち寄ってコーヒー飲んだり。楽しかったですね。

現在はどんなお仕事をされていますか?

今も高山市職員ですが、勤務地は長野県の長野市役所です。令和元年の東日本台風で長野市内を通る千曲川が決壊し、大きな被害を受けました。その災害復旧の一環として派遣され、農政分野中心に復旧支援をしています。被災農家への支援を第一にしつつ、現場でノウハウを吸収し、将来は高山市での業務にも生かせるように頑張りたいと思います。

仕事はどのように見つけましたか?

高山市のホームページで公務員採用の情報を見つけ、応募しました。

岐阜に移住してよかったと思うときはどんなときですか?

四方を山に囲まれている高山市は、趣味の登山を楽しめる場所がすぐそばにあります。これまで住んできたところは都市部が多くて。それはそれで楽しかったのですが、登山という点では近くに北アルプスなど3,000m級の山々があり、アパートからは乗鞍岳が見える今の暮らしこそ特別だと感じます。

地域とのつながりはありますか?

高山市で過ごす4年間で、気さくに話せる馴染みの店が何軒かできました。来た当初は、まったく縁故がなかったため、少しずつ高山の人間になってきたなあと感じています。

岐阜に移住して驚いたことはありますか?

漬物ステーキです。高山で初めて食べましたが、そのアイデアに驚きました。そして意外とおいしい(笑)。漬物を加熱して卵と一緒に食べるこの料理は、飛騨の歴史やそこで暮らす人々の生業が詰まった一皿だと思います。長期の出張や帰省から戻ると、一番先に食べたくなるものの一つです。

住んでいる地域の魅力を教えてください。

身近に大きな山があり、その四季の移ろいを感じられるところ。
街がコンパクトにまとまっていて、あまり不便を感じないところ。
おしゃれなところから、落ち着いたところまで、たくさんのカフェが多いところ。
さまざまな国の人が訪れる、誇るべき観光地があるところ。

お気に入りの場所があれば、好きな理由とともに教えてください。

高山市市街地のほど近くにあるアルプス展望公園スカイパークと高山市久々野の美女街道展望公園です。どちらも乗鞍岳がきれいに見え、特に久々野の方は市街地から20分程度の場所にありながら、まちの光が遮断され、夜空がとてもきれいです。

岐阜のお気に入りの食べ物を教えてください。

特産物ではありませんが高山市の「一茶」の鯖茶漬けです。メニューにはなく、個人的に「海苔茶漬け」と「鯖の塩焼き」を頼んで勝手に一緒に食べているだけなんですけども(笑)ここは飲み屋街の中心にあってアクセスもよく、お酒を飲んだ後は必ず立ち寄って、これを食べて〆るのが定番です。

岐阜で好きな季節はいつですか?

一番は紅葉がきれいな秋です。岐阜県は県北の高山帯から南部の平野部まで高低差があり、さまざまな紅葉を比較的長い期間、楽しむことができます。特に北アルプスの周辺では運が良ければ、三段紅葉にも出会えることも。高山市も北アルプスの麓にあるため、冠雪した乗鞍岳と市街地の紅葉をぜひ見ていただきたいですね。

休日はどのように過ごされていますか?

休日は登山やトレッキング、温泉に行くことが多いです。以前は登山に全然興味がありませんでしたが、気づいたらすっかりハマってしまいました。休日も街をブラブラしたり、隣町まで歩いたりしています。

移住を検討されている方に一言お願いします。

移住は人生を左右する大きなイベントです。そのためには移住先をよく知る必要があると思います。私は「聖地巡礼」をきっかけに何度も足を運び、結果として街を多面的に知ったことが、移住を決めた要素のひとつになりました。
コロナ禍では現地に行くということ自体が制限されます。しかし各自治体が積極的に移住やリモートワーク需要の掘り起こしをしているため、地方自治体主催のイベントや移住相談、ウェブサイトを活用し、積極的に情報を集めて比較することでなんとか、みなさんの移住も成功するように願っています。

出身地と岐阜を比べた場合、どんな違いがありますか?

海のあるなしが大きな違いです。実家は海まで歩いて2分程度の場所にあるのに対し、岐阜県そのものが海に接しておらず、海を見るに車で1時間半かけて富山県まで行く必要があります。そのため岐阜県の人は、海産物に対する思い入れが強いと感じます。塩鰤とか。昔から海産物が貴重だったからこそ、少しでもおいしく食べるための工夫を凝らしてきたという点が興味深いです。